今回、何が新しく確認できたのか
Wayve AI DriverとStellantisのSTLA AutoDriveを組み合わせ、電動小型車Fiat 500eと高級SUVのMaserati Grecaleで、市街地から高速道路までドア・ツー・ドアの監視付きハンズオフ走行を実演しました。2026年に先行して統合したJeep Grand Cherokeeを含めると、同じ中核AIを性格の異なる3車種へ適用したことになります。
発表で特に注目されるのは、2台の開発車が統合開始から公道試験へ4週間未満で移った点です。ただし、これは試作段階の開発速度であり、量産車としての安全検証や法規対応まで4週間で完了したという意味ではありません。
Wayveが狙う『車種を選ばないAI』
従来型の運転支援は、車種や地域ごとにルールを細かく作り込む方式が中心でした。Wayveは、実世界の走行経験から認知・判断・操作を一体で学ぶE2E型のEmbodied AIを使い、車両の大きさ、動き方、センサー配置が変わっても共通のAI基盤を適応させる戦略です。
自ら完成車を製造するのではなく、自動車メーカーへAIを供給する事業モデルのため、Fiat、Maserati、Jeepという複数ブランドへの展開は、技術だけでなく商用化モデルを試す意味があります。
2028年に始まるのはレベル2++
両社は、市街地と高速道路で使えるハンズオフ運転支援を2028年に北米から投入する目標です。レベル2++は正式な国際分類ではなく、高度なレベル2を示す業界上の表現です。手を離せる場面があっても、運転者は周囲を監視し、必要なときに操作を引き継ぎます。
WayveとStellantisは、同じAI基盤を将来のレベル4対応プラットフォームにもつなげる構想を示しています。しかし、レベル4の無人サービスについて、今回の発表では具体的な車種、地域、開始時期を確定していません。
日産・Mercedes-Benzとの提携と何が違うか
Wayveは日産と、2027年度に次世代ProPILOTを日本の量産車へ導入する計画を進め、Uberを含む東京のロボタクシー試験も準備しています。Mercedes-Benzとも一部車種への量産採用契約を結び、今後2年以内の高度運転支援導入を目指しています。
Stellantisとの特徴は、多数のブランドと共通車両基盤を持つグループ全体へ横展開できる可能性です。個別の高級車だけでなく、小型車からSUVまで同じAIを広げられれば、走行データと搭載台数の両方を増やせます。
今後、確認すべき3つの指標
第一は、2028年の量産車名と販売地域。第二は、作動できる道路・天候・速度などの条件。第三は、監視付きレベル2++から、運転者を必要としないレベル4へ進む際の安全検証と認可です。
短期間で複数車種へ移植できることは重要な進歩ですが、試作車の公道走行と量産サービスは別段階です。今後は、実際の顧客へ何台提供され、どの条件で安全に使えるかがWayveの拡張性を測る基準になります。
PRIMARY SOURCES
一次情報・参照資料
内容や数字は更新される場合があります。最新状況はリンク先の公式資料もご確認ください。